Kiss me!*2

玲唯  2010-10-18投稿
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02.


「下校時間過ぎちゃうよ?」


 その人の肩を軽くつつきながら言ってみた。


 でも起きる気配がない。


 下校時間まで残り5分。


 あと1回声かけて起きなかったら見捨てよう。


 見回りの先生来るだろうから、その先生に任せればいいや。


「ねえ、起きて!」


 さっきより声を大きくして、肩を強く叩いてみた。


 これなら絶対起きるでしょ!


「うー……ん」


 その人は目を擦りながら、ゆっくりと起き上がった。


 とりあえずこれで一安心。


「下校時間だって」


 私がそう言うと、まだ眠そうな目で私を見てきた。


 思わずドキッと心臓が鳴る。


「コマツ……ユキ?」

「え、そうだけど?」


 小松友紀。それが私の名前。


 何で、この人が私の名前知ってるの?


 でも人の名前を知る機会なんていくらでもある。


 とにかく、私の役目は終わった。


 私も早く帰らなきゃ。


「あの。早く帰った方がいいよ?」


 そう言って、私は戸の方に体を向けた。


 1歩踏み出した時、私は制服の袖をつかまれて振り向いた。


 制服の袖をつかんでいるその人は、上目遣いで私を見つめている。


 そしてゆっくり立ち上がった。


 身長は私より頭1つ分大きくて、今度は私が上を見上げるようになった。


 その人は私の制服の袖をつかんで、何も喋らないで私を見つめている。


「え、えっと……。放してくれない?」


 そう言ってみたけど、話してくれる気配がない。


 これは強引に放すしかない。


 そう思って、私は制服の袖をつかんでる腕に手をかけた。その時だった。


 私の唇に、その人の唇が触れる。


 私は目をみはったまま動けなくて、一瞬何が起きてるのか分からなかった。


 それがキスだと分かった時、私はその人を突き飛ばすようにして離したあと、その人の頬にビンタを食らわした。


 反射的に手が出て、はっとした私はどうしていいか分からず走って図書室から出た。


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