「クリスタルは持っています。そしてフールの剣もあります。彼らに対抗できるクリスタルクラッシュを育成してほしいのです」
メディナはレムの目をじっと見つめながら、頼んだ。
「…お前さんがなるのか?」
「いえ、私ではなく彼です」
彼女はそう言って、ザックを指差した。
「なんじゃ、男か」
レムは興ざめしたような顔で、首を横に振った。
「お爺ちゃん、お客様に中に入ってもらおうよ。落ち着いてお話しした方がいいでしょう?」
女の子はレムの袖を軽く引っ張った。
「…そうじゃな。お主たち、中に入るがよいぞ」
レムは小さく頷いて、ザック、ミーナ、ダリル、エナンに呼び掛けた。
「失礼します」
四人は軽く頭を下げて中に入った。
家の中は簡素な造りになっており、小さなキッチンとテーブルが一つ、そして一振りの剣が備え付けられていた。
「わしはお主たちの事情が全くわかっておらん。まずはそこから話をしてくれんか」
レムは椅子に座って、部屋の中に入ってきた五人を見渡した。
「私がお話しましょう」
エナンはそう言って咳払いを一つすると、これまでの事を丁寧に詳しく語った。
「…ふむ…」
レムは難しい顔をして、低く唸った。