「ひゅ〜女の子の盾になるなんて漢だね〜そのライフルは偽物だろ?TV越しでは本物っぽかったけどプロの目から見させてもらうと一目瞭然さ。」
杉本は口笛を吹きながらトリガーをカチャリと鳴らすと
「待て、杉本。まず、こいつらの話を聞いてからだ。さぁ君らの推理を聞かせてくれ」
先ほどまでは、京都と雪野がライフルもどきを持っていたが、ライフルが偽物とバレ丸腰状態となってしまった。
しかも杉本はもう京都の攻撃範囲に入らない様に距離をとっていた。渡沼も距離をとっていた。
しかも、こちらには大津が負傷して下手に身動きが取れなかった。
先ほどまで一対二で有利となっていたが杉本の思わぬ登場に一気に形勢逆転されてしまった。せめて、大津が杉本に見つからずにカメラを回し続けていたら渡沼達の自白が生放送で放送されて動かぬ証拠となったのに………その頼みの綱となるべき大津は杉本に見つかってしまったのだ。
状況は圧倒的に京都と雪野が不利となった!!!
雪野は状況をいち早く理解したのか絶望的な顔をしていて涙を流して泣いていた。
京都はしばらく考えて渡沼の言う通りに話そうとしたら
「おっと、お前のポケットにある携帯電話はこちらに渡してもらおう」
渡沼が指示すると京都は手に突っ込んでいたポケットから手を出して携帯電話を渡沼に投げて渡した。
京都は舌打ちをして話し始めた。
「俺らが、お前を犯人と知った理由は事件に使われた拳銃だ」
京都が話し始めると渡沼と杉本はピクリと眉を動かした。
「さっき邪魔されたが、使用された拳銃は二種類あった。二種類あったことから犯人は二人と推測できる。一つは一発しか弾丸が見つかっていないライフル……杉本があんたの部下と分かった今、ライフルを使った犯人は杉本だな。そしてもうひとつ、現場から三発見つかった銃?KPHL?だ」
京都は、遺体安置所から盗んだ資料を渡沼に見せて話した。渡沼に話しながらも京都は常に背後にいる杉本に気を置いていた。杉本がいつ発砲するのか分からないからだ。
雪野の不安を少しでも和らげようとして雪野の手を握ったまま話していた。