俺たちは信号が青になったのを確認すると、横断歩道を渡った。
「あっちまで競争だ!!」
隣にいた子どもたちははしゃぎながら横断歩道をかけていた。
「かわいーっ!!わたしも早く子ども欲しい!!」
そう言ってはしゃぐ瀬奈は無邪気で、瀬奈のほうが子どもだろ、なんて笑っていたその時だった…
「危ない!!」
さっきはしゃいでいた子どもに大型トラックがつっこもうとしていた。
瀬奈はとっさにトラックの前に飛び出して、子どもを助けようとした。
キキキーーーーっっっ
大きなブレーキ音が鳴り響いて、あたりは砂ぼこりがたちこめた。
「せ…な…せな、せな、せなせなせなせなっ」
苦しそうに小さく息をする瀬奈…
「はや…て…」
瀬奈は、振り絞るようにか細く俺の名前を呼んだ。
「瀬奈!!」
それからすぐ救急車が来て、瀬奈は病院へと運ばれた。