声-13-

深谷恵梨香  2010-10-20投稿
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それから瀬奈は1週間眠り続けた。

「瀬奈ー明日はおまえの誕生日だな…絶対明日は目覚ませよ!!じゃなきゃ、誕生日プレゼントやらねーぞ!!」

瀬奈から、返事はない。
「じゃ、また明日、でっかいケーキ持って来てやるからな!!」



翌日…目を覚まして、ふと携帯を見ると、瀬奈の母ちゃんから何件も着信が来ていた。

俺はあわててかけ直した。

“…もしもし…はやて…くん?”

「瀬奈になにか…」

俺はイヤな予感しかしなかった。

“っ………瀬奈…昨日の夜………はやて君、早く、来てあげて…瀬奈が待ってるから…”

俺は着替えもせず、寝間着のジャージのまま家をとびだした。


「瀬奈っ!!」

勢いよく扉をあけると、そこにはもう泣きすぎて疲れ果ててしまい、小さな嗚咽をもらす、瀬奈と父親と母親…それに、顔に小さな白い布を掛けられた、瀬奈がベッドの上に横たわっていた。

「せ…な…」

今日朝、瀬奈の母ちゃんからの着信を見るまで、今日こうなることなんて微塵も考えていなかった。

今日も瀬奈の病室に行って、いつものように“おはよーせなー”なんて話しかけて、もしかしたら、今日は、瀬奈の誕生日だから、神さまが特別、瀬奈の目を覚まさせてくれたりなんかして、“はやて”って前みたく瀬奈が俺に笑いかけてくれて…それで………

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