それから瀬奈は1週間眠り続けた。
「瀬奈ー明日はおまえの誕生日だな…絶対明日は目覚ませよ!!じゃなきゃ、誕生日プレゼントやらねーぞ!!」
瀬奈から、返事はない。
「じゃ、また明日、でっかいケーキ持って来てやるからな!!」
翌日…目を覚まして、ふと携帯を見ると、瀬奈の母ちゃんから何件も着信が来ていた。
俺はあわててかけ直した。
“…もしもし…はやて…くん?”
「瀬奈になにか…」
俺はイヤな予感しかしなかった。
“っ………瀬奈…昨日の夜………はやて君、早く、来てあげて…瀬奈が待ってるから…”
俺は着替えもせず、寝間着のジャージのまま家をとびだした。
「瀬奈っ!!」
勢いよく扉をあけると、そこにはもう泣きすぎて疲れ果ててしまい、小さな嗚咽をもらす、瀬奈と父親と母親…それに、顔に小さな白い布を掛けられた、瀬奈がベッドの上に横たわっていた。
「せ…な…」
今日朝、瀬奈の母ちゃんからの着信を見るまで、今日こうなることなんて微塵も考えていなかった。
今日も瀬奈の病室に行って、いつものように“おはよーせなー”なんて話しかけて、もしかしたら、今日は、瀬奈の誕生日だから、神さまが特別、瀬奈の目を覚まさせてくれたりなんかして、“はやて”って前みたく瀬奈が俺に笑いかけてくれて…それで………