頑張って勉強して受かった高校。
受験生の頃はすべての夢がそこに詰まってると思ってた。
彼氏なんか当然のようにすぐ出来るモンなんだと、期待しすぎていたのかもしれない。
「ダル〜い。今日の体育創作ダンスだし〜。」
甘くない現実を知った高校2年の私。窓際の机でお日様の光に包まれて、授業中ウトウトしている。
「なんか楽しいことないのかな〜…」
「夏樹さん。それは数学の授業がつまらないということですか?」
ウトウトし過ぎて独り言を言ってしまった!
ど、どうしよう…。
みんなこっち見てるよ!
「いや、めっちゃ楽しいですよ!!」
「………。」
「夏樹、マジうけるー!」
休み時間に友達の由美が爆笑しながら寄ってきた。
「うちら笑い堪えんの大変だったんだよ!」
「あ、そうなの?みんな失笑してるかと思ってた。」
由美といつものバカ話をしてると、後ろの席の綾瀬が話に入ってきた。
「ほんとお前の印象変わったわ。同じクラスになったばっかのときはクールな奴だと思ってたし。」
綾瀬とは席が前後になってからなんとなく話すようになった。
たぶんモテる由美を狙ってるんだと勝手に決め付けていた。