「戦うんじゃよ。クリスタルクラッシュと」
「…戦う…」
ザックは微かに肩を震わせた。
「…あれ?」
ミーナは何かに気付いたような表情で、レムを凝視した。
「どうした?」
「さてはわしの格好良さに気付いたかの?」
レムはニヤリと笑うと、剣を掲げてポーズを作った。
「いえ、別に格好良さに気付いた訳じゃないです」
ミーナはきっぱりと否定した。
「おしいのお。この格好良さがわからぬとは」
「お爺ちゃん、格好良いよ」
女の子は椅子に座りながらレムに向かってニコニコと微笑んだ。
「うむ、やはりエミルはわかっておるのお」
レムはエミルと呼んだ女の子の頭を優しく撫でた。
「なんか…どこかで見たような…」
「む…ナンパか?お主は見る目があるのお」
「違います」
ミーナは呆れたような顔で小さく息を吐いた。
「どこで見たんだ?」
「うーん…わかんないけど、どっかで見たんだよねぇ…」
メディナはその様子を横目で見てため息を吐きながら、
「レム様、ザックにクリスタルクラッシュとなる為の稽古をつけていただけませんか?」
と、改めて頼んだ。
「…まあいいじゃろ。ただし、教えるのはあくまで基礎部分までじゃ。よいな?」
レムは仕方ない、といった表情で承諾した。