「そっか…、まさかな。でも、世の中せまいよな」
「ああ…、なんかドラマみたいだよ。知り合いだったなんてな」
哲彦と義人は、お互いの出来事を話していた。
「しかしよお、哲の出会ったその子も、偶然としかいいようがないけど、哲は、そういった出会いが多いよなあ」
「まあ…ありがたいことだよ。」
「で、どうすんのよ?これからの展開として。哲ちゃんにしても義にしても、ここに来ることの意義が変わってくると思うけどさ」
「まあ…俺は、仕事の関係上、まとまった休みは年二回ぐらいしか取れないから、スタンスは変えないと思うけど…」
「俺は…どうだろうなあ。まあ、そろそろ行き先を変えたいってのもあるよ。北海道とかね。…けど、ここで出会った人達のことを考えると、必ずしもここに来ないってことじゃないからなあ」
「北海道かあ…俺、北海道のゴルフ場とかも見てみたいんだよなあ」
「あのね…剛は、それありきかよ。ってゆうか、それがメインだよね。相変わらず」
「でもさあ…俺達さあ、こうやって遠くまで旅行することなんてなかったから、そういった意味じゃ感謝してるよ。義には。…ただ、恋愛的ってゆうか、なかなか人生を変える出会いには、つながらないなあ」
剛夫の意見に、２人は頷いた。
「…そうだな。俺達3人、傷をかかえて、なんか変えたくて、こうやってきたしな…まあ、時間かかりそうかなあ」
「かもな。俺達自身に、ここ一番でなんとかしようって気持ちがないのも事実だしな。…でも、俺はここに来て、変わることが出来たような気がするんだ。和臣のことや、俺の彼女のことで、俺自身、駄目になってて…でも、出会った人達に恵まれたよ。りおさんのことは…心に残るけどね。…でも哲ちゃんが呼び込んだ出会いは、大事にしようと思うんだ」
「俺が呼び込んだ？俺は、義が始めた旅行に付いてきただけだぜ。むしろ視野が狭かった俺らが、この地でこうしてることが不思議だよ」
「そうだよ。どんな形でも、また3人で、遠くに旅行しよう」
３人は、大きく頷いた。
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