歌い終わり、聖人が客席に向かって一礼すると、
はち切れんばかりの拍手喝采。
スタンディングオベーション。
“キャ〜ッッ。北岡先ぱぁ〜い!!”
“凄い。みんな息ピッタリだったじゃん?!”
“ピアノも完璧だったよね?!”
“おいおい。これって、中学の合唱コンクールレベルじゃねーよ、マジで!!”
“ちょっと!!来賓のヒト達、まだ拍手してるよッッ!!”
ステージの脇で、あたし達の合唱を聴いていた1年生や、
他のクラスの人達が、興奮気味に話してる。
鳴り止まない拍手の中、
あたし達2-3は、
会場から控え室へと移動した。
あたし達の後に出演するクラスが、まだ残っているから、
審査は、その後なんだ。
『聖人。ユカ。お疲れさま!!』
あたしは、すぐに聖人とユカに声を掛けた。
『あ、奈央♪お疲れさま!!どうよ?!あたしのピアノは?!』
ユカは、ニッコリ笑ってあたしに尋ねる。
『ユカ。バッチリだったよ!!
最後のトレモロも上手く弾けてたじゃん!!』
あたしも、ユカのピアノには拍手したい♪
ふと、さっきから無言の聖人に視線を向けると、
『やべぇ。マジしんどかったゼ‥‥。』
なんて言ってたりしたケド、
『聖人の指揮、最高だったよ。』
あたしがそう言うと、
ちょっと照れくさそうにしてた。
『聖人のファンまた増えたんじゃない?!今日の髪型キマってるし〜。』
そこで、ユカのいつものツッコミが入るんだケド、
『今日の髪型は“わがままジュリエット”のプロモの氷室風だろ?!』
いつもは軽く流すくせに、
今日の聖人は、なぜか機嫌がよかったみたい。
あは。でもやっぱカッコイイ♪
控え室で、しばらくの間、待機していたあたし達、2-3のクラスメイト達は、
みんな、
それぞれの、担当したパートに全力で取り組み、
自分の力を、
全て出し切ったコトを、
たたえ合ってた。
あとは、
結果を待つだけ。
順位は1位から3位まで。
さぁ、あたし達の成績は、いかに?!