秋「ノブ君…?」
伸「…あき…ちゃん…?」
薄暗い視界の中で伸昭の目がとらえたのは秋奈だった
「誰?…あ!あなたがノブの新しい彼女?!ねぇ私、別にノブのこと独り占めにしないから!それに、彼女なら知ってるでしょ?他にもいるんだから、私一人くらい…」
伸「あのな、秋ちゃんは…」
秋「…」
――「浮気したやろ?」
「あぁ、ごめん。でも俺は秋奈が…」
「もういいよ。あんたなんか大して好きじゃなかったし」
「は?…何やねん、結局俺も遊ばれてたってことかよ。もっと泣くかと思ったのに」
「…」――
「私、ノブ君が居ないと…」
秋「彼女なんかじゃないよ」
「…え?」
秋「ノブ君、皆先にご飯食べてるから後で来てね」
伸「え…?…あ、秋ちゃん!」
秋奈は伸昭にそう告げると走り去った
伸「あー!!…くっそ…!…」
「あ…ノブ…怒ってる…?」
伸昭の様子に彼女が恐る恐る訊いた
伸「いや…俺が悪いねん、全部…だから」
「ノブ…」
彼女はほっとした笑みを浮かべた。だが、次の瞬間、自分に向けられた伸昭の目を見て凍りついた
伸「だから、俺がこれ以上怒らん前にどっか行ってくれへん?」
――別にそんな気持ちないもん――