トモユキ「サクヤ?」
呼ばれ我に返る。
間一髪で目前まで迫る鎖鎌をかわし、前に踏み込む。
体を流れに任せブーツに仕込んだ針金の様な10cm程の針を手のひらに忍ばせ真っ直ぐ喉へ差し込む。
相手は呼吸が洩れ藻掻く。
ピューピューと
空気を吸おうと音が漏れる。
トモユキ「おい…誰が殺せって言ったよ。」
サクヤ「まだ生きてるじゃん。」
とぼけたように聞える。
サクヤ「まずかったか?」
トモユキはため息をついた。
言ったところで無駄だと分かったからだ。
サクヤの仕事はあらゆるモノの掃除。
人もその一つだ。
いや…
サクヤはこれが本業だ。
トモユキが引き込んだのだ。
迷い込んだサクヤを。
カエデは知らない。
何も……。
サクヤ「トモユキ…こいつ殺していいか?うるさい。」