「前から思っていたけども…。」
いつものように朝食を食べている父に母が言った。
「なんだよ。」
答える父。
「目玉焼きにどうして砂糖なの？」
「どうしてって、うまいから。」
「変なの。」
「なんだと。」
（始まった。）
それをいうならお前こそ変だろ。」
「どこがよ。」
「お前は目玉焼きというが、毎回黄身がつぶれてカチカチになっているこれのどこが目玉焼きだよ。目玉ないだろうが！」
「私が好きで作っているからいいの！普段ろくに手伝わないくせに文句言わないで！」
「こっちは朝から晩まで仕事してんだよ。いつも家にいるくせして偉そうなこと言うな！」
「……!!」
（これはマズい…。）
僕はそそくさと食器を片付けて二階に避難する。
「今日は裏口からいこう。」
ランドセルを背負って急いで裏口から出て行く。
その間も二人は朝っぱらから大声で怒鳴りあっていた…。
家から少し離れたところでやっと足を緩めた。
「はあ〜。」溜め息しかでない。
「どうして目玉焼きの話しからあんなことなるんだろ？」
いつも思っているけど、夫婦ゲンカは理解できない。
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