「彩奈〜。起きなさい！遅刻するわよ！」
またこの声。・・・・正直ウザい。あたしは毎日この声で目が覚める。
まぁ、おかげで遅刻はしてないからイイんだけどさっ。急いで準備して、
ドタドタと階段を下りる。「彩奈はなんでいつもこうなのかしら。」
ってママ。「彩奈だって疲れてるんだよ。」と、パパ。で、もう１人・・・
「お兄ちゃん！！笑んないでよ！もう・・・。」横でクスクス笑ってるのは
あたしのお兄ちゃん。遼介（りょうすけ）。あたしはこの家族に囲まれて、毎日楽しく過ごしている。たいして可愛いワケでもないし、頭がイイワケでもない、普通の中学２年生。けど、お兄ちゃんは違うんだよね。お兄ちゃんはカッコイイし、頭もイイ。でもなんでか、モテるのに、彼女は作らない。
前に「なんで彼女作らないの？」って聞いたら、「めんどくさいから。」
って。なにがめんどくさいんだろ。わかんなかったケド、そのときはそれで
終わっちゃった。ま、いっか。あたしには関係ないし。ただ興味があるだけなんだよね。そーゆう年頃なの。
「じゃあ、いってくる。」ご飯を食べたお兄ちゃんが学校に行く。
「待って！あたしも行く！」あたしは毎日お兄ちゃんと途中まで一緒に歩いて学校に行っていた。あたし達は兄妹の割に仲が良かったし、お兄ちゃんは優しかった。
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