「博士…」
「当主を呼んできなさい」
「?」
マーチンは怪訝そうな表情で、首を傾げた。
「メドゥナ家の現当主だ。その者にワシの研究の成果を全て叩き込む。異論は無かろう?」
グレアムは鋭い眼差しでマーチンを見た。
「願ってもない事です。よろしくお願い致します」
マーチンは笑みを浮かべると、深く頭を下げた。
林の中にある鮮やかな緑は季節の変わりを予感してその色を変えつつあたた。
「まず、クリスタルを剣首にはめ込むのじゃ」
レムはその色づきを眩しそうに見つめながら、ザックの持つ剣を指差した。
「は、はい…」
ザックは僅かに手を震わせて、ダリルから手渡されたクリスタルを剣首にはめた。
「…ぴったりだ…」
ダリルは唾を飲み込んで、呟いた。
「そのままじゃぞ。軽く振ってもエネルギー波が出るからな」
「はい」
「剣に意識を集中させ、ゆっくりと下に降ろすのじゃ。その過程でクリスタルのエネルギーを感じ取れ」
レムは自らの持つ剣をゆっくりと降ろした。
「…」
ザックは緊張したような表情で意識を集中させると、ゆっくりと剣を下に降ろした。