しかし、そんなに甘くはなかった。
静乃ちゃんは、周りにもきっちりとさせるタイプなうえ、生徒会の中ではかなり強いのである。
不真面目なフウマがどうにもならないことで、その矛先はフウマと昔からつるんでて、フウマが集めたメンバーの中で一番まともに働く僕に向いたのだった。
「とりあえず今日はちゃんと手伝うこと。ていうか、手伝わす!」
そのまま生徒会室へと拉致された。
…
「これで一通り終わったよね?」
「ん〜、まぁ今日はこれくらいでいいかな。やっぱり春が一番頼りになるよ。」静乃ちゃんが笑顔でそう言った。
美人は得というのは本当だと思う。
結局、僕もコキ使われるのがわかっててもやってしまう。
まぁはじめは逃げたんだけど。
「今度こそちゃんとフウマのバカにも手伝わすから。自分の決めた政策にはきっちりと行動するのに、どうして普段はなんも手伝わないんだか。」
「フウマはホント気まぐれだからね。頑張ってフウマにも手伝わしてよ。いい加減、僕がキツい。それじゃ僕は帰るよ。」
「うん、お疲れ様。あたしは1つ残してることがあるから、それ終わらしてから帰る。」
やっぱり静乃ちゃんは真面目だ。
これで生徒会での僕に厳しくなかったら、すごい良い子なんだけどな。
「それじゃ、また明日。」
「うん、バイバイ。」
生徒会室をあとにした。
校舎を出ると少し暗くなってきていた。
生徒会室のあるこの校舎からなら、裏門の方が近いかな。
裏門から帰ることにしよう。
学校をあとにして帰路につく。
…
「あいつか?」
「あぁ、間違いないだろう。坂野春だ。」
「ここからで確認できそうか?」
「いや、俺程度ではもっと近づかないとハッキリとは。」
「そうか。なら予定通り、例のポイントの準備を整えよう。」
「了解。」