「鏡京都達が君の所に来たのは最長で二日前、そんな短時間でよくそこまで分かったな」
「お前らを殺した後に俺の履歴を変更しないといけないですね旦那」
杉本…いや滝本は笑いながら渡沼に言うと渡沼は「あぁ」と、答えた。
そんな簡単に履歴を好き勝手に改ざんすることができるのか?と、思ったが、それよりも先に
「しかし、なぜこんな短期間でここまでの事が分かったのだ?」
渡沼が疑問に思っていた事を呟くと
「旦那、こいつ六年前に俺が殺したはずの安井優なんですよ」
杉本は思い出したように優の家に行った時の事を渡沼に伝えた。
「なるほど……なら、事件について元から詳しく知っていて当然だ。だが、それよりも、ここで君らを殺せば完全に六年前の事件の生き残りを絶やすことが出来るってわけか」
渡沼はラッキーと言わんばかりの笑い声で銃口を優と京都に向けた。
「おっお前らが、お兄ちゃん達を殺したのはいったい何故なんだ?」
京都は滝本が兄の敵と理解すると雪野を無実の罪で追いまわしたどころか兄たちを殺してなおかつ警察でのんびりと過ごしている渡沼と滝本に絶望的な感情から優と同じく怒りが段々と込み上げてきた。
京都の頭には怒りとなつかしき日々の安井家と兄との記憶がフラッシュバックされていた。
京都も優と同じくらい怒りを込み上げていた時、優は何かに気づいたのか一瞬自分のポケットを右手で触れた。
「悠馬が殺した安井優作と安井千絵は優秀な警官であった。彼らは私の懐刀となるべく人材だったが、私の考えを彼らはことごとく反対したのだ」
ゆっくりと話し始めた渡沼に京都と優は怒りを抑えながら聞いた。
「考えだと?」
優が聞くと
「私はここ最近で急激に増えている犯罪に頭を悩ませていた。どうすれば犯罪はなくなるのか?犯罪は根絶やしにできないのか?と、常々考えていた。そして、私は犯罪を完全になくす方法を思いついたのだ」
渡沼の話を京都と優、そして大津は自然と耳を傾けていた。本当にそんな方法があるのだろうか?と、その考えを早く聞きたいと思っていた。そして、渡沼は再び口を開いた
「犯罪を犯した者は全て死刑にすれば犯罪は完全になくなると、気づいたんだ」
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