「いつかは…」
私の言葉を聞いて俯いてしまった涼の声は涙声だった。
「もしかしたらこれは夢なんかじゃないかって時々思うことがあった、…花歩が決めたなら花歩のしたいようにするべきだと思う。…でもね」
私は目を伏せた。泣いちゃいけない、
涼が私を強く抱き締めた。
「今じゃなくてもいいじゃない!」
「……」
「例えこれが夢でもあたし花歩のこと触れられるしこうやって抱きしめれる、ここにいるってことじゃない!」
涼の涙が私の髪を濡らす。
「あたし達まだ中学生だよ、だからいてよ手を伸ばせば届く所に…」
「ごめんね涼…」
私はそう答えるしかなかった。
「…謝らないで。考えて花歩自身が出した答えなんだから…」
「…うん」
「下らないこと言ってごめん。…ね、花歩あたし達友達よね?」
「うん」
「なら約束して。あたし達また会えるよね?」
「……うん」
「わかった。信じてる」
「…色々ありがとう、絶対忘れないよ、」
私は涙を拭いて無理矢理作った笑顔で言った。
「元気でね、花歩」
それを合図に私は涼に背中を向けて歩いた。しばらくして涼の泣き声が聞こえてきた。
自分勝手でごめんね、涼…