私と澪は屋上に向かっているさいちゅうです。
「澪・・・」
「何」
状況的には嬉しいのですが、とても澪の機嫌が悪いのが辛いわけで、話しかけると「何」と冷たく言われてしまう。
屋上に着くと、鍵が開いていて、出入り自由になっていた。
「風香、なにしてたの?」
「何って・・・本を読んでただけだけど・・・・」
澪がため息をつくので、何か悪いことをしてしまったのかと心配になった。
「本当に?」
「え?・・・まぁ・・・うん」
今日はやたらと澪の口が軽い。しかし、私の口が重い。
「俺とは・・・朝から話してくれないのに・・・・あんなのとは、話すんだね」
「どういう・・・・???」
何何!?口調が暗い、怒ってるっぽい!
「俺といるより・・・あいつらと話してた方が楽しいのか?」
「そんなことないよ!」
あ、言っちゃった・・・
澪は目を丸くしている。
「あんな子と話してるより・・・・澪の声聞いてた方がいい、もん・・・」
あ、付け加えちゃったし・・・・ま、いっか。嘘じゃないし・・・
「本当かい?」
さっきより声が優しくなったので嬉しくなった。
「うん!ホントだよ」
だから、私は元気に、正直に答えた。
「澪、ひょっとして・・・妬いてたの?」
「・・・・そうだよ、悪い?」
いや、全然!
こんなカッコよくて、可愛い反応が見られるのは私の特権です。
「お弁当、食べようか?澪」