Kiss me!*5

玲唯  2010-11-08投稿
閲覧数[452] 良い投票[0] 悪い投票[0]



 着信が来てるみたいだけど、知らない番号からだったから出るのにためらった。


 でも私は通話ボタンを押して電話に出る。


「もしもし……」

「あ、ユキ? 俺───」


 速攻で通話終了ボタンを押して携帯をバックに放り込んだ。


 それを見ていたナナミは首を傾げながら私を見ていた。


「誰から?」

「あいつから」

「あいつ?」

「……ケイタ」

「何だ、ケー番の交換はしたんだあ」


 そんなのしてない!


 なのに何であいつは私の番号知ってるの?


 名前といい番号といい、教えてもないのに知っていて気味が悪い。


「また鳴ってるよ?」


 私は恐る恐る携帯に手を伸ばして携帯を開いた。


 今度はメールだったけど、知らないアドレスからだった。


 嫌な予感がする。


『何でブチるの???笑』


 ケイタからだ。


 アドレスまで知られてる。


 何で、どうして……。


「何、誰から?」


 私は無言でメールをナナミに見せると、ナナミは何の反応も示さずに視線を携帯から私の方に移す。


「何だ。アドも教えてたんじゃん」

「アドもケー番も教えてないって!」


「じゃ何で来たの? 誰かが教えたとか?」

「誰かって、誰?」

「知らなーい」


 ナナミはそう言うと、お弁当を食べるのを再開した。


 私はもう食べる気がしなくて、お弁当に蓋をしてカバンにしまう。


 そして携帯の電源を切った。


 *


 放課後になって、私は帰宅するため玄関に向かった。


 その途中で恐る恐る携帯の電源を入れて、着信やらメールやらが来てないか見てみたけど、どっちも来てなくてほっとする。


 着信とメール、拒否設定にしよーかな。


 そう考えているうちに玄関に到着した。


 下駄箱のロッカーを開けた時、隣のクラスの下駄箱に人が来てロッカーを開ける。


 私は靴を履き終えて帰ろうとした。


「あ。ユキじゃん」


 聞き覚えのある声、できれば聞きたくなかった声が後ろから聞こえてきた。


 振り向くと、そこにいたのはケイタだった。


i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 玲唯 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ