―――1101号室
翼が部屋に居ると拓朗がやってきた
拓「タケらは?」
翼「広場で花火が見れるって､出てった」
拓「お前は?行かんの?」
翼「なんか疲れてん」
拓「張り切ってたのに､終わったら疲れたって｡…なんかあった?」
翼「……」
拓「…なぁ､翼｡…まあなんとなくでいいから､聞いといて」
翼「………何」
拓「…俺な､バンド解散してから､全く音楽やってへんかってん｡なんかもういいやって思ってて｡ほら､俺､楽器もできひんし｡…でも俺な､ずっと自分は何したいんか考えとって､今日､お前の歌聞いて思ってん｡やっぱり音楽が好きやなって｡それから､それを一緒にやれる仲間が好きなんやって」
翼「…」
拓「もちろん前の9人ではできひんし､俺は歌しかできひんけど…翼､俺､楽器ができる新しい仲間見つけてまた音楽やろうと思う｡仲間もおらん状態でこんなこと言うのもあれやけど､俺もお前と同じ夢を目指すわ｡だから､ライバル｡俺のバンドとお前のバンド」
翼「…きついで」
拓「そうやろうな｡でも､不安よりも今は音楽が好きやって気持ちの方が勝ってる｡お前は?」
翼「わからん」
拓「ふぅん､でもまあ頑張ろうや｡な?翼」
その言葉に翼も少し笑って見せた
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