エップカップして笑う異常者の群れの中で
本当の顔を忘るるように
私は歪に姿を捩るのです
毒だとしても
飢えるよりは良く
焔に焼かるるよりは
水中窒息が良く
痛みから逃げながら
ゆらゆらと揺らめく
燭台の焔のように
自らを熔かし
続けるのです
燭台の蝋燭は
愛する焔を燃やすため
自らを熔かし続けるのです
熱くとも焼かれ
気体になっては昇華して
ここから消えてなくなろうとも
焔のために熔けるのです
だから…
このジレンマの中で
貴女が燦くためなら
私が犠牲になりましょう
愛し合うために
誰かを溶かさなくてはならぬなら
どうぞ
私の躯体を熔かしてください
エップカップして笑う異常者の群れる世界で
本当の愛があるならば
どうぞ
私がこの身を熔かしましょう
燦くために蝋を熔かす焔も
どれだけに辛苦でありましょうか
燦かせるために熔ける蝋も
どれだけに恐怖でありましょうか
それでも…
このジレンマがある限り
エップカップして笑う異常者の群れる世界よりも
私は熔けることを選ぶでしょう
このジレンマの中で
もしも不変の愛があるならば
この残された半躯体
私は喜んで
貴女のために熔かしましょう