どこにいても、15

RF-T  2010-11-09投稿
閲覧数[448] 良い投票[0] 悪い投票[0]


僕は自室のベッドに座っていた。
ただ何もせずに座っていた。
することなんて何もなかった。涙はもうでなくなったしどれだけ叫んでも吉岡はもういない。でも事実として受け入れたくなかった。何もしたくなかった、悲しむことさえも。

学校は休んで親は仕事に行った。もう何も考えたくなかった、

部屋のドアを叩く音がした
「…あいてるよ」
そこには松村がいた

「インターホン押したけど返事がなかったから」
松村が気まずそうに言う

「ごめん、気がつかなかった」
「……」
「吉岡はもういないよ」
「知ってる。…あたしのとこにもきたから」
「ああ。お別れ言ってきたって言ってたよ」
「…」

長い沈黙が僕らを包む。

「花歩、私達にだけあの幻の時間の記憶残したみたい。」
記憶なんて消してほしかった。残ってても大好きな吉岡はもういないのに―\r

「花歩はさ、もう一度」
「…もうどうでもいいよ、吉岡はどこかに行ったんだ。僕を置き去りにして手の届かないところに」

「…」
「ごめん、独りにさせて―」

バシッ

乾いた音が室内に響いたと同時に自分の頬に痛みが感じた。
その痛みがここが現実なんだと知らされた。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 RF-T 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
コルセット並の着圧!
モノ足りない筈なし


▲ページトップ