それを見た男の子は、女の子を抱きしめました。
何も言わずに、
ただ抱きしめてきました。
すると男の子は、バックの中から、手書きの賞状を取り出してきました。
『それ、何?』
女の子が賞状を指差して伝えました。
「君に、あげようと思って。」
その賞状には、『がんばったで賞』と書いてありました。
『…がんばったで賞?』
「あなたは…いろいろな困難や苦しみにも負けずに頑張ってきました。よって、これを賞します。」
それは、ただの賞状じゃなくて、
女の子に伝えたかった全ての感情を込めた、
ラブレターのようでした。
その賞状をもらって、女の子はどんどん明るくなっていきました。
なぜなら、男の子からもらった、
ラブレターがあるから。
おわり。
「…心が温まる話だね。」『女の子が私で、男の子がカズヒロ。』
「ありがとう。とっても嬉しいよ。大事にするね。」カズヒロはそう言って、バックに絵本をしまった。
アキは笑顔で頷いた。
「じゃあ…また明日。」
『また明日。』
カズヒロとアキは、それぞれ家路へ帰っていった。
カズヒロはある程度歩いたら、もう一度アキからもらった絵本を開いた。すると、
「…ん?」
1ページ、何やら手紙っぽい内容で書かれているところがあった。