…カズヒロへ。
私は、夢に向かってたくさん努力しています。
カズヒロも、夢はありますか?
プロサッカー選手になること?
…何でもいいけど、夢は素敵だよね。
…自分も、様々な苦労や困難がありました。
でも、カズヒロがいたから、乗り越えていけました。
これからもきっと、乗り越えていけると思います。
カズヒロ。これからも私を支えてね。
私は、いつも私のそばにいるカズヒロが大好きです。
恥ずかしいけど、もう一回言います。
私はあなたが大好きです。
東条アキより
「アキ…。」
カズヒロは手紙をそっと抱き寄せた。
だが秋風は、幸せとともに、新たな災難も呼び寄せてしまうことになろうとは。思ってもいなかった。
夜の職員室には、先生、生徒の2人がいた。
「ねぇ…。そろそろ第2のいじめしなさい。」
先生の目はパソコンのモニターに映る東条アキに釘づけだった。
「先生…もっと容赦なくですか?」
「トイレに連れ込むだけじゃまだまだ軽いほう。これからは日常生活にまで支障をきたす新たないじめをするのよ。」
その生徒は、
「じゃ、私に何万くれるんですか?」
どうやら、金で動かされているらしい。
「これでどう?」
先生は机に5万置いた。
生徒の心は完全に揺らいだ。
「じゃあ明日から実行します。では。」
生徒は5万を素早くとって、帰っていった。
先生は自分だけになった職員室で、
「アキさん…ろう学校…行きましょうか…。」
その先生はアキの写真をとり、カッターで串刺しにした。
その目は、怪物のように血走っていた。