続いた世界のある結末(2)

若瀬祥  2010-11-11投稿
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返事は…無かった。
薄暗い室内に埃が舞っている。
視界は悪いが、ここに彼女の姿が無いことは、分かった。


「……ッ」


無意識の内に当たり前だと思っていた。
彼女が自分を待っていてくれると。

いや…、待っていない訳がない、なんて。


目の前が暗くなるのが分かった。
絶望? 動揺? 感傷?


すべてをぐちゃぐちゃに混ぜた感情が、青年を襲う。

膝が震えだし、立つことすら危うい。


「翅…、翅…」



口から溢れたのは彼女を呼ぶ声。


そのまま消えてしまおうかと思った。それほどまでに、彼女のいないこの場所が、嫌だった。


「設楽君っ」




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