続いた世界のある結末(3)

若瀬祥  2010-11-12投稿
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え…?
耳を疑う。


聞き間違い?でも幻聴にしては、随分はっきりと…


「設楽君?もしかして無視とか?」


「翅さんっ!」


嬉しくて嬉しくて。
勢いよく振り返る。


彼女、翅がそこにいた。


「はい、翅さんです。…お久しぶりです設楽君」


「……お久しぶり」


安心というか、色々限界だったのだろう。頬が緩み、気力がなくなる。それでも何とか彼女に返事をしたが。


「あら、泣いてるのかな?設楽君。…苛めすぎた?」

そう言って、ちょっとバツの悪い顔をする翅。
自分は今泣いているのだろうか。
そう言えば頬が湿っているような気がする。

翅さんが目の前にいるというのに。
そしてまだ、強がりきれない。


「…そうだよ翅さん。さっきはそこの窓にいたじゃないか。」


「うん、いたよ。でも設楽君見てたら意地悪したくなっちゃったから」


えへへと翅は笑った。
昔のままの笑みで。


だから何も考えず、口から言葉がでた。


「相変わらずだね」


「そうかな?」


「え?」


「人が変わらないなんて。…あり得るのかな?」


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