続いた世界のある結末(4)

若瀬祥  2010-11-15投稿
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なんとなく、深く突っ込めなくて話題をそらす。


「…翅さん、呪いはどうなの?」


「解けてないよ。五年三ヶ月も経ったけど、何も分からない。専門の友達を訪ねたけど、解く術なんて元から無いって言ってたし」

呻くように彼女は言った。

諦めてはいないのだろう。でもどうしょうもないから。だから無気力になってしまう。


「結局、万能薬なんて噂も嘘だった…。腕の良い魔女でも手を出せないって」


クソッ と机を殴る。軋む音が部屋に響く。


もう…時間が無いんだ。


後一年。 後一年で、翅の体は呪いに蝕まれる。病の様に徐々に弱っていくものではない。


ある日突然心を失うのだ。

方法は無い。


でも僕は彼女を助けたかった。


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