「先生きたわよ!」
「はーい!」
ママの声に、私は大声で返事をした。
私は鏡の前にたち、くるっと回転した。
「よし、変なとこないよね…」
部屋にゴミがひとつもないことを確認する。
看護婦になりたいからいい学校にいきたい。だから家庭教師をつけてほしいの。
14歳の誕生日にそう言った私にママとパパはびっくりしてたけど、近くの大学生徒の涼さんがいい家庭教師がいるって紹介してくれた。そして今日初めてその先生がくる。
リビングにいくと先生がソファに座っていた。
「はじめまして、よろしくお願いします!」
飛びっきりの笑顔で言った。
先生は目を見開いたまま私を見ている。
「…どうしたんですか?」
「あ、いや、よし…じゃなくて、ボーッとしてて、すいません」
先生は慌てて頭をさげる
先生は気づいてる。
先生の胸元のペンダントには写真が入っていた。
涙がでそうになった
先生、ううん、大輝。
大輝は私のことまだ好きでいてくれてるかな。
十四年間の月日の中で私は大輝のことずっと好きだったよ。吉岡花歩じゃなくても私は私だよ
長い間待たせてごめんね。でも、
でも大輝。また会えたね…