後悔するべきではなかった
あなたとだから強くいられた
あなただったから弱さは見せなかった
不意に見せてしまった涙
その時のあなたの驚いた顔
忘れて
私の涙は
我慢してきた想いも
堪えてきた悲しみも
全てが壊れてしまったあの瞬間を
あなたが私の身体を抱きしめてあなたも泣いた
『少し痩せたんじゃない?ちゃんとご飯食べてる?』
そう言って悲しそうに泣いた
沢山我慢した
あなたの前ではなるべく笑った
懸命に明るく振る舞った
そうよ
苦しくて胸が痛くてご飯も食べれなくなった
眠れなくなった
もう死んでしまうんじゃないかって思った
あなたには想いを隠して嘘を付き続けた
一つ壁を作って
だって怖かった
このまま距離を縮めればあなたに依存してしまいそうで
独占したくなってしまう気がして
手を繋ぐだけで良かった
言葉を交わすだけで
会えるだけで
『好きな気持ちは一緒だよ』
あなたがいつも言ってくれた言葉
その度に本当は傷付いた
『寂しい思いはきっと違う』
そう言いたかった
あなたよりも私が何倍も辛い
あなたには幸せな世界があって
私がいない世界がもう一つあって
私はそれを考えないように
あなたといる時だけは幸せだと思って
現実を避けて生きてきた
もういいよ
私は捨ててくれて
キスを嫌がったのは
触れる手を振り払ったのは
あなたが嫌いだからじゃない
あなたを受け入れたら抜け出せなくなると分かっていたから
そのことであなたを傷付けたのも分かっている
ごめんなさい
結局はどんな結末を迎えようと後悔は避けられない
大好きよ
あなたが誰といようと
誰を愛そうと
でも一つ
信じたい
『君がいなくなったら』と言って言葉を詰まらせて泣いてくれたあなたの言葉
あなたの涙
あれは嘘じゃなかった
『俺の初恋は君だよ』と言って苦しそうに胸を押さえたあなたの手を握りしめて思った
私の初恋もあなただった
そしてまた悔いた
出会いの順番を
これが最後の恋になっても構わない
最後にあなたを好きになれた
そのことに後悔はない
だからさようなら