黒ト黎明ノ星

ミカミ  2010-11-26投稿
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季節は冬 厚い靄に覆われた空 瓦礫と化した町 かつてキョートと呼ばれた都市 廃墟と化した建物に15〜16歳に見える少年がいた
少年は疲れきった様子で座り込んでいた
その少年のそばに異様で禍々しい雰囲気を纏った仮面があった 仮面は黒く額には赤い宝石のような物が埋め込まれていた
少年はその仮面を見て
「こんなもの」
と弱々しく言い捨て座りながら仮面を蹴った
「お兄ちゃん」
建物の奥から少年の妹と見られる少女がフラつきながら少年に近寄ってきた
「ミカ」
と少年は言った
少女の名前は『ミカ』と言うらしい
「無理しちゃダメだ奥で休んでいないと」
少年はとっさに立ち上がり『ミカ』に近寄った
「ミカ大丈夫だよ」
『ミカ』は弱々しく少年に言った
「お兄ちゃんと一緒に食べたいと思って」
『ミカ』の手には一枚のビスケットがあった
「お兄ちゃんは大丈夫だからミカが全部たべな」
「大丈夫ないよ!お兄ちゃん何も食べてない」
と『ミカ』言いビスケットを2つに割った
大きく割れた方を少年に突き出した瞬間
「ゲホッゴボッゴホッ」と酷く咳き込んでビスケットは床に落ちた
「ミカ」
少年は慌てて膝をついた『ミカ』の体を支えた
「ごめんねお兄ちゃん。ビスケット落としちゃった」
と弱々しく言った
「ミカ、やっぱり無茶しちゃダメだ」
と言った

その時

ガシャン

ガラスの割れる音がした

何かの気配を感じとった少年は近くに置いておいた鉄パイプを握り締めた
『ミカ』弱々しく小刻みに震えていた
「ミカここに居るんだいいな」
少年は言った
「あと『アレ』には絶対に触れちゃダメだ。絶対に」
と少年の視線の先には黒い仮面があった
ウンと『ミカ』が頷くとそっと『ミカ』頭を撫で少年は
ガラスか何かが割れる音
嫌な気配を感じた方へと足を運んだ



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