俺は夜に親父に結婚の事を話そうと思った。晩御飯の後に親父は仏壇の前に正座で居た。
大輝「あのさ、」
永甫「五月蝿いっ!今、留佳さんと喋ってんだっ!」親父は、仏壇の前で母に話し掛けてた。
永甫「大輝も一緒だって?んじゃ、三人で話そう。」大輝「わざとらしいよ。」永甫「んで、話って?」
大輝「俺、仍と結婚する。」
永甫「ふ〜ん。で?」
大輝「で?と言われても。」
永甫「・・・・・・・。」
親父が立ち上がった。
永甫「大輝、あっちで話する。留佳さんの前じゃまずいから。」
突然、真面目な顔になった。何だろう…?
大輝「母さんの前じゃまずいって?」
移動してから、俺は口を開いた。
永甫「…覚えてるか?9年前。留佳さん死んだ理由。」
大輝「んだよ。改まって。交通事故だろ?」
永甫「自殺だ。」
・・・・・・・。俺は、言葉を失った。
大輝「何で…?」
永甫「お前が16歳の時、留佳さんはガンになってたらしい。それで、お前たちに、俺に迷惑掛けないように死んだんだ。」
大輝「・・・・・・・。」
永甫「だから…おまえは、仍ちゃんを、絶対に幸せにしろ。」
大輝「…わかった。」
だんだん、俺…不安になってきた。
永甫「ところで…仍ちゃんとやったの?」
その瞬間、不安がぶっ飛んで俺は吹き出した。
大輝「はぁ!?何言い出すんだよいきなり!!!」
永甫「え〜10年だろ?付き合って。そんなに長かったら、あんな事やこんな事を沢山…、」
大輝「なんもねぇよ!!」俺は、思わず立ち上がって机をたたいた。
永甫「俺なんか、12歳でやったけど。」
・・・・・・・。呆れた。