続いた世界のある結末(6)

若瀬祥  2010-11-30投稿
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足を止めなければ希望が見えてくる。
信じていれば必ず報われる日が来る。


僕は何度翅に言っただろう?

自分に言い聞かせる様に、この五年以上もの間。


それが何度彼女を傷つけただろうか。


きっと僕がそう言う度。
宛のない希望にすがる度。

彼女は叶わない未来を嘆いた。
その押し潰されそうな感情を、必死に表に出さないようにしながら。


そしてその先に在るものが僕らの未来になることを。

「そんなの、嫌だ…」


本当に恐れている。


だけど、それでも。


エゴでもいいと思った。翅を悲しませる事になったとしても。それでも。



「僕も翅さんの事が好きだ」

「だから、止めない」


叶わない未来に向かって、歩いていこうと思う。

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