チケット 4 〜あれが出会いだった。〜

るー6  2010-11-30投稿
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道中、もう1件の家の前に車が停まった。

そう、ニュースでやっていた。

健太の他にも3千人選ばれているのだ。

「もう1人のるぞ。席を空けろ。」

「…はい…。」

すると、同じく両腕を掴まれた女の人が車に乗せられた。

「どうも。」

その女の人はそっけなく挨拶した。

「…よろしく。」

…不良っぽい雰囲気を漂わせているな。

第一印象はそうだった。

「名前は?」

最初に口を開いたのは女の方だった。

「青峰…健太。」

「ふーん。」

「ふーん…って、あなたは?」

名乗ったのだから名乗るのが普通だろ。

健太は心の中で呟いた。

「瀬津杏。」

「そう…。」

1つ、疑問があった。

何で、杏さんは冷静でいられるんだろう。

健太は思い切って聞いてみた。

「あの…何で冷静でいられるんですか?」

「だって私、自分からこの心理調査希望したから。」
「あ…そうなんだ…。」

健太はこういう人もいるんだなと物珍しそうな目で見つめた。

「何だよ。見つめんじゃねえよ。気持ち悪い…。」

これが2人の出会いだった。思い返してみれば。

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