集合場所に行く途中の、パーキングエリアで、小休止していた哲彦の携帯に、着信があった。
『じゅん』からであった。
「もしもし、哲彦さん?合ってるよね?哲彦さんの携帯で」
「そうだよ。久しぶりだね。声が聞けて嬉しいよ」
「本当ですか〜?私は、哲彦さんの声が、本当に聞きたくて、かけたんですよ」
「だったら、尚のこと嬉しいよ」
「ありがとうございます。」
「今年も、もう終わりだね。どうだったの?今年は」
「うん…変わりばえしない日常に変化があった年かな」
「え?どんな」
「うん…それは、きっと哲彦さんに会えたことだと思うの」
「本当に?いいよ気を使わなくて」
「本当だよ。だって…哲彦さんに会うまでは、何にも恵まれない日常だったんだもん。何故か恋愛に恵まれなかったんだよね…だから、哲彦さんなら、これから先、進展があるかなあって…」
「ありがたいよ…俺みたいなやつが、じゅんさんの、心のどこかに、置いてもらってたんだもん」
「ううん…心のどこかじゃなくで、中心だよ」
「ありがとう。じゃあ、来年真っ先に、会いに行かなきゃね?」
「うん!それね、意外と早くそうなると思うよ」
「え?それどうゆうこと?」
「実はね…今東京に来てるんだ。友達とね。哲彦さん、今日この後予定あるの?」「まあ…ね。でもびっくりだよ。こっちで年越しするなんてさ」
「うん…でも友達の希望なの。私も、それに賛成したよ。…だって哲彦さんに会えるから」
「友達の希望?それって…」
「うん…哲彦さんの考えてる通りだよ」
「そうか…」
「それでね…今から会えないかな〜?って思って」
「じゃあ…今から俺が会う友人って、だいたいわかってるのかな?」
「きっと、前に話していた人だよね?」
「そうだよ…ってゆうか、そいつらしかいないから…」
「うん…楽しみにしてる」
「わかった。じゃあ、2時間後に俺達が使っているファミレスで」
「うんわかった」
2時間後、哲彦の前に現れたのは、かすみと、由美を伴った、じゅんの姿だった