穴の中に入ると、すぐ下へ続く長い階段が…。
「すげぇ。」
杏は巨大さに驚いているようだ。
「ここから先は、お前らで行け。」
2人の男は穴の外へと出て、シャッターを閉め始めた。
すさまじい轟音が地下に響いた。
これで、地上の景色はまったく見えなくなった。
「あとは、降りるしかないんだな…。」
「まぁ…そうだね。」
健太が杏の言葉を素直に受けとめた。
「じゃ、早く行こうか。」
健太が先に階段を降り始めた。
長い階段を降りた先には、また大きな扉。
「アンダーワールドへようこそ。」
2人のスーツ姿の男。どうやら門番らしい。
「チケットを見せてもらうぞ。」
杏、健太はチケットを見せた。
すると、2人の男がゆっくりと扉を開けた。
中には、不運にも選ばれてしまった人、百人くらいだろうか。集まっていた。
アンダーワールドには、30ヶ所入り口があるので、大体1つの入り口に百人くらいだろう…と健太は推測した。
入り口の数も、昨日見たニュース情報である。
「青峰健太、瀬津杏。これでHブロック百名、百名揃いました。」
人込みの先にいる今度は人間型アンドロイドが、全員いることを確認したようだ。
その奥には、5台のエレベーター。となると、ここはエレベーターホール。
変な土偶や、インディアン風の置物など、異様なムードが漂っている。
横にもう一つ扉があり、ガラス越しにその部屋の中を見ることは出来たが、中には何もないようだ。
「それでは夢の地下帝国アンダーワールドに行く前に私、アンドロイドが地下帝国でのルールを教えるよ!」
百人が徐々に静まり返った。