スカバンburn!!〜夢〜 -104- 届かなかった こ え

きゃしー  2010-12-14投稿
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拓「どこ行ったんや…あいつ…」

拓朗は翼を探して歩き回っていた。そして、歩き慣れた交差点のそばまできて、ようやく翼を見つけた

拓「おった!…翼!!!」

翼にむかって叫ばれた声。しかし、それは車の音にかき消され、翼はさらに一歩足を進めた

拓「おい!翼ぁ!!!!!」

さらに拓朗は声をあげたが、同じく大きくなった車の音がそれを遮る。翼の足はさらに進む

拓「翼!!!!!!」

ますます大きくなる拓朗の声と、それをかき消すように近づく車の音。

拓「つば…!」

はっとして拓朗が振り返った。そして、ちょうどその拓朗の脇を車が通りすぎた

拓「あかん!!つばさ!!!!!走れえ!!!!!!!!」

精一杯の声をあげたが、届かない

拓「翼、つばさあ!!!!!!!!!」

その声を遮るクラクションの音。それから、誰かの叫び声。



拓朗はその時、自分が何を叫んだのかも、その車がどんな音をあげたのかも、はっきり覚えていない。



ただ、真っ白になった頭にはっきり浮かびあがるのは、青信号を告げるメロディと、道路に広がった赤い色だけだった





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