夢跡†(2)

つる  2010-12-15投稿
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下校時間になった。


教科書とノートと筆箱を鞄にしまい、

携帯電話が学生服のズボンに入っているかをよく確認する。


先日は忘れて帰ったからだ。


カチン


音を立てて鞄を閉める。


教室にはまだ人が残っている。下校時間になったからといって、すぐに教室を出る人も少ないのだ。


入り口に集団で固まる女子を掻き分けて、教室を出た。


下足場で、履き古したスニーカーを出す。


座って、身体が大きくなったせいか、大分無理をして、足を収めた。


下足場を出た。寒い。


もう2月とは言え、吐く息は白い。煙の様なそれは、上へと昇り、消えて行く。

この様子だと、手も段々冷たくなるだろう。


格好をつける為でなく、防寒の為に、ズボンのポケットに手を伸ばす。


歩き出そうと前を向いた時、目の前に白い、薄っぺらい物が落ちてきた。


屈んで拾い上げる。


……ポケットティッシュ?

何で上から? と見上げると、



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