夢跡†(5)

つる  2010-12-15投稿
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「死んだら 駄目ーッ!!」

背後から必死な、しかし凛とした声がした。


振り返ると、荒く肩で息をする
精悍な顔をした少女が立っていた。


着込んだ制服も乱れている。


目が会うと、少し声のトーンを落として、諭すように語りかけてきた。


「こっちに来なさい!
悩みがあるなら、私が聞くから!…早まらないで!」

何事だと、したで生徒が騒ぐ。

(勘違いされてんなぁ…。ま、こんなご時世だしな)

ゆっくりと、身を乗り出したままだった上半身を起こし、
のんびり歩いて彼女な近づく。


するとほっとしたように、作り物などではない、滲み出るような笑みを浮かべた。


「思い直してくれたのね…良かったわ…」

「いや俺は…」

「大丈夫。心配しなくても、貴方の悩みは私が解決するし!」

「いや、だから俺…」

「どんな事でも言ってご覧なさいっ」

埒があかないな。

「俺さ、童貞卒業したいんだけ…」


言い終わる前に、頭上から
ブンッ

と音を立てて飛んできた、金属製の様な箱状の物が視界を覆った。


次の瞬間、俺は意識を失った。



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