「死んだら 駄目ーッ!!」
背後から必死な、しかし凛とした声がした。
振り返ると、荒く肩で息をする
精悍な顔をした少女が立っていた。
着込んだ制服も乱れている。
目が会うと、少し声のトーンを落として、諭すように語りかけてきた。
「こっちに来なさい!
悩みがあるなら、私が聞くから!…早まらないで!」
何事だと、したで生徒が騒ぐ。
(勘違いされてんなぁ…。ま、こんなご時世だしな)
ゆっくりと、身を乗り出したままだった上半身を起こし、
のんびり歩いて彼女な近づく。
するとほっとしたように、作り物などではない、滲み出るような笑みを浮かべた。
「思い直してくれたのね…良かったわ…」
「いや俺は…」
「大丈夫。心配しなくても、貴方の悩みは私が解決するし!」
「いや、だから俺…」
「どんな事でも言ってご覧なさいっ」
埒があかないな。
「俺さ、童貞卒業したいんだけ…」
言い終わる前に、頭上から
ブンッ
と音を立てて飛んできた、金属製の様な箱状の物が視界を覆った。
次の瞬間、俺は意識を失った。