ダリルは頭を掻きながら、言った。
「隣国って…どこに攻め込むつもりなんだ?」
「ゼダスね。ログ砦周辺に部隊を展開しているみたいだから」
「ゼダス…確か一番の友好国じゃ…」
ザックは首を傾げた。
「だからよ。部隊を展開しても攻め込まれるとは思っていない。彼らはゼダスをそうみているんじゃないかしら」
「あ、なるほど!」
リリアの説明に、彼は大きく頷いた。
「汚い野郎だ」
ダリルは吐き捨てるように言って、唇を噛んだ。
「何とかして止めないと。クリスタルで人が死ぬなんて絶対に嫌」
ミーナは強い口調で言った。
「それにはあなたの力が不可欠よ」
「いや、その…相手のクリスタルクラッシュとまともに勝負ができるのかどうかはわからないのですけど…」
ザックは自信なさげな表情で、呟いた。
「確かにそうねぇ」
メディナは難しい顔をして、腕を組んだ。
「あ、そうだ、クリスタルを返しておかないと…」
ザックは懐からクリスタルを取り出した。
「返してどうするんだよ」
ダリルは苦笑いした。
「あなたが持っていないと意味が無いでしょう?」
「え…でも、これはみんなの物で…」
「いいの。ザックが持っていて」
リリアは小さく微笑んで、言った。