「良い子にしてるとクリスマスにサンタさんが来るよ」
子供の頃に親に言われた言葉。
何をもらおうか悩んだ、精一杯良い子にしていたあの頃。
流行りのおもちゃ、ゲーム…
あの頃クリスマスを心待ちにしていました。
20歳になった私。
初めてできた彼と過ごすクリスマスイブ。
用事ができたと会えなくなってしまったその日、彼が見知らぬ女と歩いていました。
私はそれを見てしまいました。
腕を組んで…
幸せそうな顔で…
私は見て見ぬフリをしました。
だって…私は良い子だから。
「サンタさん、わたしの願いを叶えてください…」
私は願いました。
心を込めて…。
クリスマスの朝。
いつも通りに目覚めた私の横で…………
冷たくなった彼が寄り添うように横たわっていました。
そう…彼は私の物。
私の宝物。
もう離さない。
………サンタさん。ありがとう。