薄暗く、なんとなく重い空気の流れる病院のロビー。
両手で顔を覆い、猛の肩に体を預ける波音とその肩をしっかり抱く猛。ちひろは膝に顔を埋め、光希と秋奈は寄り添うように座り、その秋奈の隣で伸昭は表情ひとつ変えずに座っている。そんな6人の様子を、聖二はぼんやり眺めた
空もすっかり暗くなり始めたころ、ようやく奥から拓朗が姿を現し、いち早く聖二が立ち上がった
聖「どうやった?」
拓「あぁ…命に別状はないって。怪我はまあ、ひどいけど…」
波「ひどいってどれくらい?!」
波音が勢いよく立ち上がり拓朗に近寄る
拓「あ〜…ちょっと骨折したぐらいだよ」
波「ちょっとって?!」
聖「波音!落ち着けって」
拓「大丈夫だよ。美弥もついてるし…こんな大人数で行っても迷惑やから、今日はとりあえず帰ろう?な?」
誰一人うなずかず、黙った。
そんな中、ちひろが静かに口をひらいた
ち「…なぁ…まさか、自殺しようとしたんじゃないやんな…」
拓「…!」
あの一瞬の出来事が拓朗の頭をよぎる
聖「…」
光「…いきなり…何を…」
猛「翼がそんなことするわけないやんか!ふざけたこと言うな!!」
ちひろの言葉に猛が怒鳴り掴みかかった