猛「翼が…翼がそんなことするわけないやろーが!こんな時にふざけたこと言うなや!」
猛の声は震えていた
ち「だって!そーゆう“するわけない奴”に限ってするんだよ!!翼、ずっと落ち込んでたし…」
猛「翼はそんなアホなことせん!!!なあせえちゃん!?」
聖「…」
ち「…」
拓「…」
聖「…確かに…な…。自殺する人ってさ、選択肢がないんだよ。」
猛「…どういうこと…?」
聖「つまり、あまりに気持ちが強すぎるもんがあって、それが上手くいかないなら死ぬしかない…って…」
猛「な…それが…翼に当てはまんの…?」
聖「だから、あいつは音楽に対する気持ちが強すぎんねん。でも、今、その夢の先が見えへんくなって…」
猛「せぇちゃんまで変なこと言うなや!!!翼がそんな簡単に命を捨てるような人間なわけないやんか!!!」
拓「…」
ち「でも、僕…ひどいこと言っちゃったし…だから…」
猛「うっさい!!翼は…」
秋「もうやめようや!!!!」
うつ向いたまま秋奈が叫んだ声に全員が黙った
秋「助かってんから、それだけで良かったやんか!そんなこと今はええやん…」
拓「…秋」
拓朗がそばに来てそっと抱き寄せた。聖二が小さく、ごめんと言った