‐甘い恋はすっぱくなる‐
この学校には、アル噂がある。
『A組からD組まであるこの学校は、レベル別にクラス分けをされていて、A組は金持ちで優秀な月クラス。
B組は普通な子が集まる星クラス。
C組は成績が悪い子が集まる空クラス。
そしてD組は小学校からの危険人物を集めた土クラス。
のように分かれている。
基本的に月クラスと土クラスは人数は少なく毎年10人〜15人しかいない。
星クラスと空クラスは40人〜50人もいる。
だからこの学校はクラスの人数が片寄っている』
っと噂されている。
(ま、噂だし。本当だったとしてもD組になることは絶対無いし♪)
そんな軽い気持ちでカヤはクラス表を広げた。
一枚の紙には赤ペンで大きく『D組』と書かれていた。
カヤは急に冷や汗をかきだした。
(ヤバイヤバイヤバイヤバイ!もし噂が本当だとしたら私は危険人物と同じクラスなのぉ!?)
一気に不安が込み上げてきた。
カヤは恐る恐る先生らしき人に話しかけた。
「あ…あのぅ…」
「どうしたのかな?」
先生らしき人はニコニコの笑顔で返事をしてくれた。ホッとした。
普通の先生じゃないか。
何が土クラスだ。
っとカヤはホッと胸を撫で下ろした。
「あの、D組ってどこにあるんですか?」
カヤはニコニコで話した。
「えっ…D組…?」
先生は顔色を変えた。
「はい。D組です。何か変ですか?」
カヤは思わず聞いた。
すると先生は急に眉間にしわを寄せ、ポケットから出した紙をカヤにつき渡した。「はい…。貴方に教えるほど暇じゃないので」
先生は先ほどとは別人のような低い声で言い、そのまま逃げるように走って行った。
カヤは放心状態のままその場に立ち尽くした。
そして地獄の青春学園生活の幕が開けた。