二十歳
高校生の頃の青春真っ只中のはしゃぎ過ぎた時を経ていくつかの恋愛を重ねて
ようやく少し落ち着いた私
現在の恋人は六歳上
もうスッカリ大人
大人になりきれない私は
デートで恋人に会う度
すごく背伸びをしていた
恋人の事が好きだけど
背伸びしていた分だけ
会った後はものすごく
疲れ果てていた
恋人の仕事仲間の集まりに連れられてそこで私は
二十二歳の彼と出逢う
二十二歳にしては
恋人と同じくらいに
大人な彼
精一杯大人な対応をする
私の言動にいちいち嫌味な表情を浮かべる
バカにされてる
苦手意識の中で
恋人に連れられ私は彼と
その後何度も会っていた
クリスマスを1ヶ月後に
迎えるその日も
恋人に連れられて
あるパーティーに出向いた
そこには彼も来ていた
かなりお酒がすすんでいたのか私が会場に入るなり
「また来たんですか」
とフテキに笑う
嫌な奴
恋人は来ている知人達と 談笑中
私はシャンパンの入ったグラスを持って壁際のソファーに座り込んでいた
疲れたな…
「疲れてますね」
声のした方を向くと彼が
笑って立っている
素知らぬふり…
「今年のクリスマスはすでに予定があって…一緒には過ごせないんだけど…来年のクリスマスは一緒に過ごす約束をしてもいいですか」
え…??
「疲れているんでしょ…
僕ならそんな顔は絶対にさせません」
え…???
「来年のクリスマス楽しみにしてますよ」
彼は今までにない
優しい笑顔を見せると
その場を立ち去った
いったい何のつもり?
からかわれてる?
連絡先も知らない彼
どうして連絡をとると
言うんだろう…
そんな事より私には
恋人がいる
二週間後
私は恋人とのツラい恋に
別れを告げた
1人で迎えたクリスマス
だけど悲しくも寂しくも
なかった
彼の言った来年のクリスマスの約束があるから
きっと二度と会う事もないとわかってはいるけれど
彼の言ってくれた
一年後の約束は
私を癒し励ましてくれた
一年後の約束を
ありがとう