「昨日、すごい事故見ちゃった!」
「どんな?」
「トラックと中学生っぽい男の子がぶつかってさ、マジでやばかったの!あれは死ぬって」
「マジ?」
「だってね、運ばれる時ちらっと見えたけど、腕なかったもん」
「怖い〜」
女子高生の何気ない会話に昨日の翼の事故を思い出しながら、秋奈は一人、電車に揺られていた
昨日、病院を出た後、秋奈は拓朗に手を引かれてワン家に帰り、伸昭はそのまま家に帰った。
皆と別れるまでずっと黙ったままだった伸昭。元はちひろの話が原因といえるが、伸昭もきっと落ち込んでいるに違いない、そう思った秋奈は伸昭の家を目指していた。
秋(翼が入院してるってのに、ノブ君の心配するなんてひどい友達やな(-_-;)でも、拓朗の話では、あの子らの話の事故ほどひどくはないみたいやし、そもそも美弥がついてるもんな!ノブ君は…)
――ノブ君のこと独り占めにしないから!一人くらい…――
秋(…あ…そっか。ノブ君には一緒にいてくれる人なんて、いっぱいおるか…うちがわざわざ行く必要なんて……ううん!大丈夫よ、秋!なんか分からんけどここでひるむな!きっと彼は笑ってくれる!秋ちゃんって…)
しかし、彼女の予想は裏切られた。