「それから…俺は、やっぱり心の中で、君への思いは、捨て切れてないから…ってゆうか、口に出してるけどさ」
「うん…ありがとう…哲さんの気持ちわかってるよ。そのことは、私の中でいつか整理しなきゃいけないことだけどね」
「ああ…今すぐってゆうわけじゃないんだ。せっかく、みんなと出会えたんだから、答えはすぐに求めてないよ」
「…ごめんね。義人さんが言ってたの。
『出会いは、始まったばかりだから、これから先、きっと答えが見つけられると思う』って…」
「そうだな…君たちと出会って、もう数年だけど、こうやって、これからのことを築いていくなかで、答えがでればって…俺も思うよ」
「うん…」
いつの間にか、哲彦達と近くなっていた義人と由美は、会話を聞いていた。
「…かすみは、義人さんのことが好きなんだね」
「…俺は、申し訳なく思う。自分のトラウマを払拭しきれずにいるのに、…こんなどうしようもない俺に好意をもっていてくれたこと…俺は、今改めて旅行をして、君たちと出会っことを嬉しく思うよ
俺達のようなやつとこうして、付き合ってくれること…本当にありがとう」
「うん…哲さんも義人さんと同じくらい、私達もさまよってた…だからね」
ふいに由美は、哲彦とかすみを呼んだ。
「私、決めた。哲彦さん、今お互いに思いは異なるけど、今度2人で食事しませんか?」
由美の突然の呼びかけに、哲彦は戸惑ったが、笑顔になって頷いた。
「喜んで」
(…ま、俺は義人がいなかったら、こんな出会いもなかったわけだし、俺が今度は、お返しする番だな…それに、由美さん明るくて、いい子だし…)
そう思いながら、由美と哲彦は、その場を後にした。
「…ごめん。もっと早く気づかないとね
俺は、君が好きだ。
今、はっきり言えるよ。この数年間、いろんな出会いがあって、いろんな出会いも消えていった…でも君たちだけは、俺達の前から消えなかった…ありがとう。…そして、俺でよかったら、これから先もよろしく」
「やっと…言ってくれたね。…ずっと待ってたよ」
そう言うと、かすみは、義人に抱きついた。