月曜の昼休み。
いつものように梨沙子と机を合わせてお弁当を広げている。
「〜でね、すっごい良い曲でね!しかも作った人うちらのタメだったの!すごくない?!」
私は興奮ぎみに土曜の晩の感動を語った。
「へー、菜々子が男の子に興味持つなんて珍しいじゃん。なんて名前の人?他校の人?」
梨沙子が聞く。
「たぶん見たことない人だったから他校の人だと思う…、名前は『ミツル』ってことしか知らない。」
「『ミツル』ってあの『満』じゃない?!詳しく知らないけどあいつも音楽かじってるって聞いたことあるよ!」
それを聞いた私は心臓が跳ねた。
聞き覚えのある名前だと思ったら、梨沙子が紹介したいと言っていた男の子だ!
「時が来たね、菜々さん。さっそく満に連絡しとく。」
「えぇー!?まだ同一人物かわかんないじゃん!」
私は展開の早さに頭が熱くなり軽くパニック状態。
そんなことお構いなしに梨沙子はスカートのポケットから携帯を取り出し、さっそく満にメールを打っている。
私は頬を押さえて心を落ち着かせるため教室内を見回した。
いつもの光景だ。
でも私の頭の中はいつもと違う…