目頭から手を外し、瞬きをしている。
…………!!!
それは見覚えのある顔で、もう一度会いたいと思っていた顔に似ていた。
………ミツルだ!!
私は驚きのあまり目が点になった。
それを見た梨沙子が「どうしたの?」と、私の視線の先を探るように振り返る。
「あ、綾川(ビン底眼鏡)じゃん。」
梨沙子が振り返ったときにはすでに彼は眼鏡をかけ直した後だった。
「あ…あのビン底眼鏡って、綾川っていうの?下の名前は?ってか、あいつ何者!?」
私はパニックになった。
「何者かって…笑。あいつは『綾川』でクラスメイトじゃん。あんた名前知らなかったの?私も下の名前までは知らない。……つーか、やっぱりダサ男。一人で何してんだろうね。」
ちょっと待て…
頭の中整理しよう…
梨沙子の友達の『満』とDJの『ミツル』は別人で、しかも『ミツル』はビン底眼鏡の綾川なのかもしれない!
私は何だかすぐにでもビン底眼鏡……あ、綾川くんに話しかけて確かめたくなった。
でも、もし違ったらと思うとなかなか一歩踏み出せない。
やっぱりもう少し様子を見てみよう。
私は綾川くんを見ながらハンバーガーをくわえた。