「暗ッ!!」
放課後、委員会の会議が終わり自分の教室へカバンを取りに帰ろうと廊下に出る。
冬になり日の入りが早くなったため、廊下は真っ暗だ。
パタパタパタ
思った以上に廊下が暗く、寒かったので足早に教室へ向かう。
「あ、電気ついてる…」
長く暗い廊下の先に自分の教室から電気の明かりが漏れていた。
暗さに恐怖を感じていた私はホッとした。
……ガラッ
「!!」
私の心臓は跳ねた。ドキンって音がした。
教室内に一人。
綾川くんがカバンに教科書を詰めて帰る支度をしていた。
私が扉のところで足が動かなくなって立ちすくんでいると、綾川くんがこちらを向いた。眼鏡に手をかけて誰が入ってきたのか確かめるような感じだ。
「………あ」
今まで話したことなかったから何て話し始めたら自然なのか分からない。
分からないけど、声をかけないと不自然な状態で、「あ」とだけ声が出た。
「………あ、綾川くんも、い、委員会とかだったの?」
どもりすぎ私…。
私は身体中の間接が硬くなったような感覚になり、カチコチのまま自分の席へ向かう。(もちろん綾川くんの前の席)