私は恥ずかしくなり足元を見る。
「気づいてたの?」
私が聞くと、綾川くんは「うん。」と答えた。
私は顔が熱くなった。
恥ずかしすぎる…。
「えーと、もしかして私のことバカにしてた?」
私が聞くと、綾川くんはハハッと笑い「違うよ」と言った。
「自虐的な感じになるけど、俺がダサいから学校じゃ関わってるところ他の人に見られたくないのかなーとか思って…。」
そんなことを言われて、どう反応していいか分からなくなった。
確かに綾川くんのこと初めはダサ男だとかキモいとさえ思っていたから。
でも今は隣にいるビン底眼鏡を気持ち悪いとは全く思わない。
「……最初は、そう思ってたかもしれない。」
私は正直に答えた。
「でも今はそんな風に思ってないよ。」
私は歩く足を止めて真剣に答えた。
「うん。ありがとう。」
綾川くんは少し笑いながら答えた。
「…でも、何でそんなにDJのときと違うの?」
私をずっと悩ませた疑問をぶつけてみた。
「…やっぱ、気になる?」
綾川くんは寝癖だらけの短髪の頭をガシガシ撫でながら言った。
私は大きく頷いた。